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カノンカフェ2020.06.21

カノンで行うグリーフワーク

今日は「父の日」ですね。

「母の日」の起源は亡きお母様を思い、白いカーネーションを送ったのがきっかけ、、と記憶しておりましたが、
父の日については良く分からなかったので、wikipedeia で調べてみました。

なるほど・・

私が物心ついた頃には、もう「父の日」 は存在していて、幼き頃の思い出のひとつに、
その日に家族で食事をしたり、
「肩たたき券」を作りプレゼントしたり、ということがありました。
小学生の頃
父の日に「お父さんの似顔絵を描こう」という時間がありました。そのときに、
うつむいて泣いているように見える男の子がいました。
当時は、どうしたのかな、と思いつつ、あまり気にもとめずにいたのですが。
数年後、彼のお父様は病気でお亡くなりになっていたと知りました。

1980年代は、まだまだ、それぞれの家庭の事情を配慮する・・というのは難しい状況だったかと思います。
そういう事情にまだまだ対応出来ていなかった社会で、ましてや小学校低学年では、
その思いを言葉にすることも出来なかったのだろうと思います。
今でこそ、多様な家族像が増えたこともありそこは変わってきていると思うのですが・・

「父の日」「母の日」そして、ホリデーシーズンなど、当たり前のようにそこを喜ぶ風潮に
複雑な思いを抱くようになったのは、
私がいくつかの大切な近しい人を亡くす、という喪失を経験してからでした。

グリーフを感じながら過ごす日々、
(*グリーフは、「深い悲しみ」や「悲嘆」と表現されます。
大切な方を亡くしたときに現れる心身の変化のことです)
当たり前のことが当たり前でなくなってしまったことを辛く感じたり、
無力感を感じたりしました。
でも、世の中は、何も変わらず、当たり前のことを当たり前に伝えてくる。
そこがとてもしんどかったです。

ただ、私自身もそんな経験の前はそれを当たり前のようにしていたわけです。
そして、その当たり前の世界のまま生涯を終える方もいらっしゃるでしょう。
それが出来るということは本当に喜ばしいことです。
だから、どれが正しいなんて言えないなとも思っています。

しかし、一度そこを知ってしまったからにはもう元には戻れないし
それならば・・と喪失や死生について学ぶことをしていきました。
これからも、そういう気持を抱く方達への思いも感じられる自分でいたいと思っています。

今日のこの日も死別や離婚、父親との関係性、
様々な理由から複雑な思いを抱く方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんあたたかな気持や感謝の気持を素直に
伝える良い機会と捉えてもいいと思います。
とにかく、どんな感情であっても
自分の大切な感情だと思えたらいいなと思います。

想送庵カノンでは、「カノンカフェ」を月一回行ってきました。
(現在は新型コロナウィルスの影響を配慮して、中断しております)
そして、その中に定期的にグリーフワークを取り入れてきました。

グリーフの感情の中には、悲しみ、怒り、戸惑い、感謝、様々あると思います。
時間の経過は時に力になり助けにもなりますが、
その時間の経過の中でも、この父の日のように
何かがきっかけで湧き上がる思いもあるでしょう。

これからもこのグリーフワークをカノンで
定期的に行っていきたいと思う気持は変わりません。
葬儀式場でそのようなワークを継続して行う事はあまりない事かもしれませんが・・
お通夜、告別式、というのは正直何が何だか分からないまま過ぎていく
ということが多いかと思います。
急な悲しみに、なんとか折り合いを付けてやるべきことをやって進む、、、
私もそうなのですが、
そのときの記憶がはっきりない、とおっしゃる方は多いです。
落ち着いた頃にじわじわとやってくるいろいろな感情。。
カノンカフェでグリーフワークを定期的にやっていきたいのは
こうしたいつやってくるか分からない感情を出す場として
いつも存在出来たらということからです。
再開の際にはぜひ、またお知らせさせて頂ければと思います。

この写真は、過去に
亡き大切な方を想いながらハートを描こう、というワーク
カノンでしたときのもの。

彼女はなくなったご主人が飛行機が好きだったと言うことで、
ハートの絵以外にもこんな素敵な絵を描かれました。
もちろん、お悲しみもあるでしょう。でも、
この絵の説明をする彼女の言葉にはご主人へのあたたかな思いがあふれていました。
こんな風に言語化したり、思いを表現出来る
時間をこれからも大切にしたいと思っています。

彼女からの感想を最後にご紹介させて頂きます。(写真と、コメントの掲載はご本人の了解を得ております)

「飛行機をモチーフにしたパステル画。我が家の玄関に置いてあります。
毎日の忙しい生活の中でも家を出る時、帰ってきた時にごく自然と目に入るように飾りました。
子供に直接聞いたことはないのですが、ほんの一瞬でも父を感じることができるかなと思っています。
カノンカフェでパステル画を描く機会をいただいて自分の思いを形にして、
家族でそれを共有できたことに今でも感謝しています」

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